*

技術

人工知能学会の全国大会に参加

2017/06/03

皆さんこんにちは。プログラミンググループの阿部です。

先日私はEBAの社員(賛助会員)として愛知県で開催された人工知能学会の全国大会に参加してきました。

全国大会と言っても人工知能に関する研究をしている方や高い関心を持っている方が集まって研究内容に関する発表とその内容に関して議論を行う場といった感じでした。
研究発表もさることながら、その後展開された議論内容もとても勉強になりました。

私が拝聴した研究は以下4つです。
・招待講演
・質感と感性
・医学医療における人工知能
・社会信号処理とAI

招待講演は研究発表とは少し色が異なるのですが、技術の進歩が及ぼす世界への影響(本当に技術が世界を造り変えてしまうのか?)という趣旨のお話でした。

結論から言えば技術が世界を造り変えてしまうのではなく、現代においてロゴス(倫理)とパトス(情熱)の比重が変わり始めている(世界中の人々の思想に変化が起きている)ことが世界を動かすきっかけを作ったのではないかというお話でした。

「歴史は繰り返す」と言いますが、ルネッサンス時代のような革新的な時代と等しく、人工知能の技術も古来から人々が求め続けている"娯楽"における進化の過程に過ぎないのだろうという貴重なお話を拝聴させていただきました。

質感と感性では声質変換という技術を目の当たりにしました。
誰かの声を覚えさせて(つまり、特定の人の声質データを持たせて)その人の声を出す技術程度にしか考えていませんでしたが、それだけではなく、声帯の太さ(年齢を基準に算出)による声の特徴や話し方の癖等も覚えさせることができるそうで、カラオケでモノマネが好評な私の生体的技術が人工知能という機械的技術に完敗する日もそう遠くはなさそうです。
ただそれによって生まれる"笑い"はまだしばらくは私の優勢だと信じていますが。

医学医療における人工知能では軽症うつの治療法として挙げられる認知行動療法と呼ばれるカウンセリングをe-Leraningで人工知能とコミュニケーションをはかりながら進める技術に関する発表を拝聴し、今後の可能性をすごく感じました。
このテーマの傍聴者は人工知能よりも医学や医術に興味を持った方が多く、現役の医者もたくさん参加されていました。

また、人工知能に医師国家試験を突破させようと試みる研究もあり(出題文から単語単位で切り取って問題を認識させ、その単語と関連性のある病気や薬の名前を結び付け、解答を導くためのキーとなる単語の頻出度によって選択肢から一番正解の可能性が高いものを回答させるというもの)、研究目的に関しては少々疑問が残りましたが、なかなか斬新な研究だなと聞き入ってしまいました。
そこで挙がった質問で、医師国家試験には回答用紙に答えを書いてはいけない「地雷問題」というものがあるらしく、今後の課題としてそういうものへの対応も入れるともっと合格に近づくという医者ならではの意見も聞くことができ、色んな観点から新しい発見が多かった研究発表でした。

社会信号処理とAIは人工知能とのコミュニケーションに関する研究が主でした。
人工知能をインタビューアーと見立てて対談形式でのインタビューをする技術の発表では、インタビューを受ける側が意欲的な発言をしている場合には更に突っ込んだ質問を、言葉を詰まらせて話しにくそうにしている場合は質問の方向性を少し変える等相手の反応を見ながら次の言葉を繰り出すような技術も紹介されました。
発表後は話下手な人への対応に関する議論が行われ、今後の発展に期待したいと思います。

人工知能は現代において既に身近な技術となりつつあります。
開発手法に関する発表ではなかったのですが、今後技術者として人工知能に関わっていくことへの導入編としたらなかなか面白い話がたくさん聞けたので私は大満足です。

行き帰りの時間はまるで修学旅行かのような楽しさで、一緒に参加したEBAの社員さんたちとは更に仲良くなれた気がします。
帰りの新幹線で村田さんとシェアして食べた駅弁、ひつまぶしと味噌カツの名古屋飯最強タッグ☆
お弁当なのが少し残念でしたが、おいしかったです!

出張勉強会、また機会があれば参加したいな~と思います。
今回参加できなかった皆さんも次は参加してみてはいかがでしょうか。
きっと技術だけではない色々なことを吸収できると思います。
今回1upどころか10upくらいした阿部でした。

-技術