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ゲームに学ぶUI/UX

2022/01/21

初めに

お疲れ様です。 2020年1月入社、プログラミンググループの三笠です。
前職ではゲーム会社でプランナーとして働いておりまして 、5~7タイトルほどの運営・開発に携わり今に至ります。

ちゃんとゲーマーだった自分は、学生時代は毎日10時間以上。社会人になっても4時間程度はゲームをし続ける毎日です。

仕事、プライベート両方ともゲーム漬けだった私が 今回ブログのテーマとして書こうと思うのは 「ゲームのUI/UX」です。

UI/UXの話をするとUI/UX警察が来そうではありますが、
あくまで個人の感想だということと、
UI/UXデザイナーといった専門職からの視点ではなく、
あくまで元プランナーのゲーム好きという立ち位置からの見解という事を
頭に刻み付けたうえで読んでいただけると精神衛生上よろしいかと思います。

テーマ設定理由

ゲームのUI/UXについて語ろうと思ったきっかけは
普段から友達と「このUIはクソ」「このUIは素晴らしい」といったゲーム談義を行うのですが、
その話の中でWebのUI/UXは似ているようで少し違うのかも?
と感じたのでまとめると面白いかなぁと思ったからです。

読み終わった後、なにか感じるものがあれば嬉しいです。

UI/UX

さて、デザインをされる方であれば 耳にタコができるほど聞かされたであろうUI/UXだと思います。

UI/UXについては他でも触れている(部活もあるし)と思うので
ゲームを例として簡単に説明するとすれば
UIは情報を得られるユーザーとゲームを繋ぐ接点。
UXはゲームをプレイして得られる体験。
ぐらいのニュアンスで良いのかなと思います。

ゲームのUIとUX

ゲームを遊んだことのある方であれば
「ゲームのUIってどんなものがある?」という問いに難なく答えられるかと思います。
・HPバー
・残り時間
・ミニマップ
・バフ/デバフ情報
などがパッと出てくる範囲なのかなと思います。
これらは間違いではありません。
が、UIという言葉の概念に少し囚われすぎているのかなとも思います。
UIとは何もプレイヤーに情報を提示してくれる
バーや数字、アイコンだけがすべてではありません。
UIとは「ユーザーインターフェース」であり、
ユーザーとゲームを繋ぐ接点であります。
キャラクターがのけぞったり、
拾え”そう”なアイテムが落ちていたり
ゲームをクリアしてファンファーレがなったり…
こういった「ゲームの要素」もUIになりえるというのが重要なのです。

つまり、ゲームのすべてはUIでできていると言っても過言ではないと思っています。

ではゲームのUXは何なのでしょう。
それは「コンセプト」に直結する、
ゲーム本体といっても過言ではない。ゲームの中でどんな要素よりも重要なものです。

ゲームで一番大切なものはシナリオでもキャラデザでも、音楽でもありません。 ゲームのUXが最も重要なのです。
プレイしていて良い体験を与えることができれば
どんなに変なゲームでも成功なのです。(売上云々は一旦置いておきましょう)
むしろ、ゲームの目的は より良いUXをプレイヤーに届けることにある。とも言えます。
ゲームをプレイして「なんか楽しい」「なんか気持ちがいい」といった UXを届けられるのがベストですもんね。

まとめると、
・UIはゲージだけにあらず。音やエフェクト全てがUIである。
・UXはゲームの命。UXの上に全てが成り立っているのだ。
という感じになるかなと思います。

ゲームのUI

さて、ゲームのUIは様々な要素である。と説明しましたが、 具体的にどんなものがあるかというと
・HPバーや残り時間などのプレイヤーに直接情報を与える表示
・ダメージを受けたり、成功/失敗をしたときの音
・キャラクターの表情や声 ・BGMや環境音など
・攻撃のエフェクトやダメージを受けたときのエフェクト
などがあげられるでしょうか。

まずはUIの存在意義を考えるところから始めたいと思います。
UIがある理由は「ゲームの情報を伝えるため」にあるといえるでしょう。
では、なぜゲームの情報をユーザーに伝える必要があるのでしょうか。
それは「製作者側がゲームの目標を提示」する為であると思っています。

どういうことかと言いますと、 ゲームというのは必ず目標があります。
例えば「世界を救え!」とか「ゴールに走れ!」みたいなものです。
しかしながら、その目標を教えてあげないと ユーザーはこちらが思った通りにゲームをプレイしてくれないかもしれないのです。

子供にブロックを渡すと
投げたり、食べてみたり、叩いたりして 必ずしもこちらが想定した通りの遊び方をしてくれないのと似ています。

つまり、ユーザーに「こうしたらどうかな…かな…?」と提案するのがUIというわけです。

UIが持っている力

UIには、ユーザーに情報を伝える以外にとても重要な働きがあると考えています。 それは「ブランディング」です。

ブランディング?調子乗った事言うなよ。と思われるのもわかりますが、 実はかなり大事だと思っています。

ここで言うブランディングとは、
「他のゲームなどと明確に違うと感じさせる。このゲームならではの物」と印象付けさせる事を指しています。

え?ブランディングはキャラクターに任せれば良くない?
ごもっともです。しかしながら、それは「企業のブランディング」ではないでしょうか。

ソニックといえばSEGA。
アイルーといえばカプコン。
スネークといえば大塚製薬。

私が言いたいUIのブランディングとは 「このゲームだからこそ”このUI”だ!」ということです。

例えば、江戸時代で敵を倒すゲームなのに、 UIがサイバーな感じだとどう感じるでしょうか。 ミスマッチ過ぎますよね。

他にも、とってもスタイリッシュなゲームなのに、 UIのアニメーションが多すぎて素早く選択できないメニューを 使いこなさなければならないとどうでしょう。 パパっと動きたいのにそれを制限するのはナンセンスですよね。

江戸時代が舞台なら体力ゲージはロウソクなどをイメージするのが良いでしょうか。 刀は武士の命とも言いますし、刀でもいいかもしれませんね マップは巻物っぽくして、マップ移動は巻物をスクロールすることで表現しましょう!

スタイリッシュなゲームなのであれば 先行入力をある程度許容しましょう。 アニメーションが全く無いと、どのように遷移したかわかりにくいので、 右から左へ素早くフェードするときは階層を進む。 逆の場合は階層を戻る。という意味に統一し、なるべく時間は短くしましょう。

…つまり、UIから世界観を作り、没入感を生むのが「ブランディング」の効果なのです。

ゲームを遊んでいる中で、キャラクターの次に注目するのがメニューなどのUI(ゲームにもよる)です。 そのUIとゲーム本編が乖離したイメージだと、 ゲームに集中したいのにノイズになってしまいかねません。

逆に、UI上でなんとなくゲームのイメージを植え付けることができれば 没入感に繋がり、更に深くゲームを理解してくれるはずです。

まとめると 「◯◯っぽい!」と感じさせるUIは オシャレと感じさせる以外にも 没入感を生む効果がある。

ということになります。

ゲームのUX

ゲームで一番大事。と言いましたUXですが、 実は難しすぎてコレ一つで 本当に1万文字を超えてしまいます。

ですので、ギュッと縮めてみます。
UXとは体験であり、ゲームとは体験の連続です。
スティックを倒せばキャラクターが動き、
ボタンを押せばキャラクターがジャンプします。
それに連動してマップの表示が変わり、
スタミナゲージは変動していきます。

この体験の連続を邪魔する要素があってはならないのです。

しかしながら、これらの体験は非常にシビアで
少しでもタイミングや色、音を変えてしまうと 一気に良くも、悪くもなります。

ただ、これらの全てが噛み合って、
良い出来になると 「歩いているだけでなんか楽しい」 「思いどりの操作ができる」 「なんか辞め時がねぇ」といった体験を生み出すのです。

まとめ

さて、ゲームにおけるUIとUXの考えを一通り伝えきったところで、 一度カスみたいなゲームの画面をある程度納得の行くものにしてみましょう。
素人が作った画面なのでクオリティがカスですがそこは目をつぶっていただけますと幸いです。

以下の画面はPCで遊ぶゲームで、 プレイヤーは狩人となり、大自然の中で様々な武器を用いて巨大なモンスターを倒すゲームです。

どうでしょうか。 マップがあって、アイテム欄があって、体力があって制限時間がある。 うん。必要な素材は揃っておりますね。 しかし味気ないというか、ゲームの世界観に全くあってませんよね。 少し変えてみましょう。

全体的に昔っぽいというか、原始っぽい雰囲気になりましたね。 おそらく文明が衰退したのか、もしくは文明初期の世界観であろうということが伝わってきます。 いい調子ですね。 しかしもうひと手間加えたいですね。

コレでどうでしょうか。 文明レベルが低いという設定の場合、 少なくともデジタル時計の表示はミスマッチですからアナログ時計に。 マップも航空写真のような正確な地図を作れないでしょうから、ファジーなテイストに。

この世界をじっくり見てほしかったので 全体的なUIのサイズを少し小さくして 文字を減らしてみましょう。

…著作権と気力の問題からリッチな例を作ることは叶いませんでしたが、なんとなくイメージはしていただけるのではないでしょうか…
少なくとも一番最初のやつよりマシでしょう!!!

配置箇所の設定や色なんかも重要ですが、その話はまた別で。

最後に

素人ながらにいつも感じていることを纏めて見ました。
文字数がとんでもないことになってしまったので
かなり端折って説明をしています。
分かりづらいところがあったら申し訳有りません。

もっとゲームUIの特徴とかクリエイティブとかについて語ってみたかったですが、別の機会にしておこうと思います。

現役・本職の方から見たら浅い部分や間違っていることも多いと思います。
そんなときは「オタク君さぁ…」と教えていただけると、学びになって非常に助かります。

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